「外食するならそばかラーメンか」なんて大学入試で聞かれたら皆さんはビックリしますか? このテーマ、実は出題されたことがあるんです。出されたのは福島県立医科大学医学部の推薦入試。面接におけるディスカッションのテーマとして出題されました。さて、今回は知っているようで知らない推薦・AO入試について、基本的な情報から、より踏み込んだ内容まで整理してみましょう。
表1を見てみましょう。
表1
| 増員した大学 | 減員した大学 | 募集数の増減 | |
|---|---|---|---|
| 国立大 | 46校 | 4校 | +469名 |
| 公立大 | 23校 | 5校 | +233名 |
| 計 | 69校 | 9校 | +702名 |
文部科学省「国公立大学入学者選抜の概要」より
2008年と比較し、2009年の募集人員の増減状況をまとめたものです。推薦・AO入試を実施している大学のうち、半数以上の国立大・約3分の1の公立大が募集人員を増やしており、増加人数は700名を超えています。
☆増加の理由として
・ 定員全体の3割が目安だった国立大の推薦枠が、2008年度から推薦・AO併せて5割まで拡大されたこと
・ 国立大学法人化により大学間の競争が生じ、受験生減少傾向の中での入学者早期確保の必要が高まったこと
・ 地方の医師不足解消のため、医学部医学科での「地域枠」が導入されたこと
が挙げられます。増加の傾向は今後も継続するものと見られています。
表2を見てみましょう。
表2
| 推薦入試 | AO入試 | |
|---|---|---|
| 出願条件 | 学校長の推薦が主流 評定平均値の基準有が主流 |
自己推薦が主流 評定平均値の基準無が主流 |
| 選考方法 | 受付は原則11月1日以降 書類審査+小論文+面接が主流 |
受付の時期制限無し ※2011年より8月1日以降 書類審査+面接が主流 |
出願条件では、学校長の推薦の有無・調査書の評定平均基準の有無などの大きな違いがあります。選考に関しても、受付時期や方法に若干の違いが見られます。なお、2008年度入試での全入学者における推薦入試入学者の割合は国立大12.3%、公立大21.5%、私立大41.2%でありました。それに対しAO入試入学者の割合は国立大 2.5%、公立大1.7%、私立大9.6%でした。
ここからは実際の推薦入試を踏まえ対策を考えていきます。今回は福島県立医科大学医学部のケースです。
県立医大の募集人員は県内枠21名程度、県内特別枠7名程度、県外枠7名程度の35名以内です。それぞれの枠で出願資格が異なりますが、すべての枠の出願に「調査書の学習成績概況がA段階に属し、高等学校長が責任をもってA(注1)として推薦できる者であり、かつ大学入試センター試験で大学が指定する5教科7科目を受験する者」という条件が付きます。ふだんの学校の成績が優秀であるのはもちろんのこと、指定の教科・科目のセンター試験に対応できる学力が必要です。
注1
| 全体の評定平均値 | 学習成績概況 |
|---|---|
| 5.0~4.3 | A |
| 4.2~3.5 | B |
| 3.4~2.7 | C |
| 2.6~1.9 | D |
| 1.8以下 | E |
学習成績概評
全体の評定平均値をA・B・C・D・Eに区分し記入
なお、学習成績概評Aに属する者のうち人物・学力とも特に優秀で校長が責任をもって推薦できる者についてはマルAと表示することができる
選抜は、高等学校長の推薦書、調査書及びセンター試験のスコアだけでなく、大学が準備した総合問題の結果や面接も評価の対象です。総合問題は、高いレベルの数学力や英語力、表現力を含む国語の力が試される内容です。出願のためだけではなく、やはりここでも学力養成は必須です。
また、冒頭に紹介した面接でのディスカッション(討論)も大切です。
過去のテーマは、
2007年 「外食するならそばかラーメンか」
「高校で履修するなら世界史か日本史か」
2008年 「朝食はご飯かパンか」
「原子力発電は是か非か」
2009年 「医学部定員増について是か非か」
「週休2日制について是か非か」
一見すると答えがないような問いに対し自分はどのように考え表現するか、また、反対の立場の人の意見をしっかり聞いて議論できるかが試されます。
出願に制限がある分、一般入試より推薦入試の方が倍率は低くなります。特に、難易度の高い大学の場合は推薦入試の利用が好結果に繋がるケースが多いようです。
大学によって出願資格・選抜方法は様々ですから、興味のある方は志望校のホームページを確認するか、最寄りのKATEKYO学院各教室にお問い合わせ下さい。早めの準備と毎日の積み重ねで合格を勝ち取りましょう