もうすぐ夏休み。「夏を制すものは受験を制す」の言葉があるように、高校3年生の諸君はここで態勢を立て直し、受験シーズンに備えるのが鉄則です。 学校の授業が進まない夏休みに、自分の弱点教科をまとめたいのは皆一緒ですが、「どうしたらいいの?」という人も多いことでしょう。
今回は、「普段手が回っていない」という声が多い『物理・化学』『日本史・世界史』に的を絞って、その学習アドバイスをしたいと思います。いずれの教科も、重要分野・頻出分野をターゲットにし、30日間ほどでやれることを計画した内容になっています。自分の時間がたくさん持てる夏休みです。ぜひこの記事を読んで、自学習に役立ててください。
物 理 力学・波動・電磁気をまとめてみる
力学は計算問題中心の出題なので、夏休みは演習問題による復習とレベルアップが目的になります。また、計画は優先順位を考えて重要なテーマを選択し、7割程度完成できればよいと考えましょう。重要テーマの基本セットは、『放物運動・運動方程式・エネルギーと運動量・円運動・単振動』。センター試験重視であれば、物理Ⅱを省略し、剛体のつり合い・浮力を、また、運動方程式と仕事とエネルギーの関係も見ておきましょう。
波動分野の重要度は入試全般として、力学・電磁気と同じくらい高まっています。攻略のポイントは、波の現象例を原理から理解し、現象の定性的な傾向や関連する物理量の変化を式やグラフで理解しておくことです。
電磁気は、物理Ⅰで学習したオームの法則と抵抗や、電流と磁場、誘導起電力の基本法則による定量的な理解まで進めれば理想的です。余裕がある人は、物理Ⅱで苦労する電場・電位や、コンデンサーの先取り学習をするのもいいでしょう。
化 学 反応式・物質量の完成、無機・有機分野の整理をする
最初は、化学式や化学反応式をマスターするために、教科書からリストアップしましょう。このとき、反応式に関連する事項も同時に整理しておくこと。あとは単に丸暗記でなく、左辺をもとに右辺がどうなるかを考えながら、反応式を作る方法をマスターすれば他の分野にも応用が利きます。さらに併せて、物質量や濃度を用いた量的な計算の演習もやっておくと効果的です。
つぎに、意外と時間がかかる無機・有機の暗記事項のリストアップです。ノートにまとめるとき「アルカリ金属の化合物・硝酸塩・アンモニウム塩は全て水に溶ける」といったように、共通的な性質を先に把握してから例外をまとめるようにすると効率が上がります。色も、典型元素の化合物はほとんど無色(白く見える)、といったまとめ方もあります。
最後に、現在の自分の状態を知るために、とりあえず標準的な問題集を、飛ばし飛ばしで(ざっくりでいいので)やって、どの分野が得意・不得意なのかを把握しましょう。不得意分野については、もう一度教科書やノートに戻って復習とまとめをして、再度問題集を解くようにしましょう。
日本史 時代ごとに文化の概略をまとめ、知識を深めてみる
教科書では、政治・経済・外交などが前面にきて、最後に文化が記述されているパターンが多いのですが、まずは文化史の部分だけをじっくり読み、時代背景を理解した上で、個々の事象について要点を書きまとめるようにしましょう。
ノートは、例えば天平文化なら2ページ、江戸時代の文化なら4ページといった具合に、見開きページを単位に作成していくと、あとで使い勝手がよくなります。その際、①文化の特徴、②建築・彫刻・絵画・工芸・書道など美術関係、③宗教・教育・思想・学問など学術関係、④人々の生活、というふうに4つの項目を立てて、それぞれの内容を、作品と作者名などを書き込みながら見やすくまとめるといいでしょう。ノートの余白に、その文化に登場した建築・彫刻・絵画などの美術作品を、写真集からコピーして貼り付けるなどすれば、視覚的にさらに記憶に残り易いノートに仕上がります。
旧石器時代から現代文化までのノートが完成したら、記憶の整理と実戦力をつけるために問題演習を繰り返しましょう。
世界史 中国史を仕上げ、戦後史・文化史を攻略する
センター試験や私立大入試で出題頻度の高い中国史は、各王朝の代表皇帝を軸に、政治の流れとその時代の世相の特徴を、フローチャートや箇条書きにして、書き出してまとめると理解しやすいでしょう。さらに中国関係の用語は、記述式入試では漢字解答が原則になるので、声に出しながら『書いて覚える』ことが重要です。
先取り学習になるかもしれませんが、現代史の戦後史は、まず大筋をつかみ、同じ単元を再度読み返して重要な動きを把握することから始めましょう。特に『冷戦構造の実態』『第三世界の自立』『中東問題を軸としたイスラム世界の現状』などの分野をしっかり理解しておくことが重要です。また、20世紀の歴史に関しては、下一桁の『9』年に着目して10年単位の略年表を作ると理解しやすいです。
文化史は、ヨーロッパと中国関係がポイントになります。特にヨーロッパでは17世紀以降、中国では儒学と明清時代の文化が頻出分野です。問題演習は、基礎レベルと入試レベルの2冊を併用するのがよいでしょう。演習後は解説を熟読し、さらに理解と知識を深めるスタイルを確立してください。
昨年高3だった先輩からのメッセージ
夏休みの期間中、学校の夏期講習・補習や学校行事のある日もあるでしょうし、気分転換のために休日が必要な人も多いはずです。私の場合、お盆前後の5日間を除いて、高校の補習がほぼ毎日ありました。そう考えると、自由に使える時間は意外に少なかったりします。自分の勉強時間をどうやって作り出すか、その工夫こそが実は大切なことだと思います。長いようで短いのが夏休みです。皆さん、やれるときにしっかり勉強して、『成果の盛夏』にしてくださいね!!