夏休みの宿題に多いのが読書感想文。文章を書くこと自体苦手な生徒さんは多く、様々な場面で家庭教師の先生方が指導、添削することが増えているようです。そこで、太田事務局所属の猪股先生に「読書感想文の上手な書き方」を伝授して項きましょう。

自分だったらという見方
読書感想文は単に本のあらすじと感想だけを書くものと思わないで下さい。
感想文ではなく感動したことを書く感動文と捉えましょう。自分はこの本を読んで一体何を書きたいのかと自分に問いかけてみてください。
最も感動したこと、教えられたことは何なのかをしっかりと捉え、作文のテーマ(主題)にして下さい。また物語には主人公が一大決心をする場面がいくつか出てきます。その場面で「自分ならどうするのか?」と自分に置き換えて考えてみるというのが読書感想文を書く際の重要な姿勢です。主人公の決断と行動を自分自身の生活に引き寄せ、比較することで書く内容は豊かに拡がり、深みを増すはずです。そのようにして書くことによって自分がどんな人間であるかがだんだん解ってきます。ですから、どんな人が書いても全く違う文章ができるのです。感性を研ぎ澄まして、自分でなければ書けない魅力的な文を書いてみましょう。
具体的な書き方
1 場面を選ぶ
物語の中で特に印象に残った場面(主人公の運命が変わってしまうような節目)をできるだけ多く抜き出します。
2 素材の作成
それに対して次の観点で書き出します。これが最も重要な中身になります。
①主人公の決断と行動(性格)
②自分ならどうするか
③自分の性格や考え方
④身近な生活体験の実例
3 テーマの決定
書き出した素材と読書感想文の与えられたテーマを照らし合わせてテーマを決めます。この本を読んで得たものは何か、教えられたことは何かということです。そしてテーマに沿った場面の素材だけにしぼりこみます。
4 段落構成を考える
基本は序論、本論、結論の3段に分けて書きます。起承転結の4段などいくつかパターンがありますが、読む人の受け止め方を考えて最も効果的な流れを考えて決めます。ここでは次の作業を行います。
①段落に分ける
②書く内容を個条書きにする。
③だいたいの文字数を決める。
段落構成例
〈序論〉
①テーマを示します。(例)幸せとは何だろうか?
②物語のあらすじをできるだけ簡単にまとめます。(場合によっては省略)
③結論について軽く触れます。
〈本論〉
テーマによって選ばれた素材を話の道筋をよく考えて並べ替えます。
〈結論〉
テーマに対しての自分の結論を述べます。
(例)幸せは他人との比較では得られるものではない。自分の心の持ちようで日々が感謝の生活にも不満の生活にもなりうる。
5 下書き
構想をもとに素材を見ながら下書きをします。ひと通り書き上げたら、文字数を確認します。不足はないか余計な部分はないか、語る順番は良いのかと推敲を加えます。
6 清書
清書する前に何度か声を出して読み上げてみてください。その際に読む人の立場になって自分の声を聞いてみます。すると文章の流れがおかしい点や表現がぎこちなく聞こえる部分に気づくはずです。この時点で家族に聞いてもらうのも良いでしょう。あとは修正を加えて清書すれば完成です。
日常生活でドラマや映画を観る時も常に「自分ならどうするか?」と自問することが感想文を上手に書くトレーニングになると思います。感想文を書くことは自分を見つめなおし今後の人生をよりよく生きることにつながると思います。