茨城県県立高校試験の分析と対策

国語

小川 真実先生
日立事務局  小川 真実先生
茨城キリスト教大学文学部卒

傾向分析

大問数 5 、小問数 21
第一問 小説の読解(出典:山下 篤「漁師志願!」
第二問 論説文の読解(出典:池内 了「擬似科学入門」
第三問 漢文の読解
第四問 短歌の鑑賞(出典:馬場あき子「短歌その形と心」
第五問 課題作文(出典:野田 尚史「なぜ伝わらない、その日本語」

 毎年大問は5題で、量や内容も標準的です。第一問は小説の読解、冒頭に導入文があるので物語の背景をとらえやすく、会話文と情景描写からなる文章は身近で理解しやすいものといえます。第二問は論説文の読解、漢字の読み方は履修した漢字の読み方に習熟しておく必要があります。(五)の内容吟味は論旨の把握を前提とする総合的な読解力が試されています。第三問は古文の読解、文章の展開を正確に解答する必要があります。第四問は短歌の鑑賞、鑑賞文が作品の鑑賞の重要なヒントとなるので、作品と合わせて熟読し、最大限に活用しましょう。第五問は課題作文、自分の意見を160字以上200字以内にまとめる問題が続いています。

重視すべき対策法

 小説・論説を含む文章は長文読解を中心に、漢文・古文を含む古典読解、詩・俳句・短歌を含む韻文鑑賞、条件作文などの文章表現を含む総合問題などは、基本的なレベルの幅広い国語力が試される傾向が続くでしょう。小説や論説文は教科書レベルのものを中心にさまざまな文章に読みなれておくことです。小説では、内容の把握と心情の読み取りを中心に、論説文では、内容の解釈と要旨の把握を中心に、標準的な問題で力をつけましょう。より多くの作品に親しむことで、少しずつ鑑賞の幅を広げていくことが大切です。韻文については鑑賞力を養うだけでなく、表現技法を勉強しておくようにしましょう。

小川先生からの学習アドバイス

 条件作文は内容に多少の変化はありますが、字数や段落構成などの形式に今後大きな変化は無いと思われます。自分の考えを問われるものが多いので、日常見聞きする事柄に、感じたことや考えたことなどを、自分の言葉で表現できる練習をしておきましょう。記述式問題への学習対策として、日頃より本や新聞などを読み、それに対する自分の意見・考え方を160字以上200字以内にまとめられる練習をしておくと良いですね。また時間配分が大切で、この記述式問題は最後の第5問の最後の問題と出されるので、時間が足りないことが予想されます。配点も10点と高いため、時間配分をしっかり意識することが大切です。漢字や語句の使い方などの基本的な学習は毎日の家庭学習の一つに加えましょう。 小説の読解は心情に関する設問、漢字の書き取りの設問も含まれます。論説文の読解は内容理解、要旨についての設問が中心となります。漢文の読解は内容理解や歴史的仮名使いに関する設問が出され、短歌の鑑賞は内容理解や表現技法に関する設問が出されています。基本といえる問題が多いとはいえ、出題範囲は広いのです。従って幅広い分野について満遍なく学習しておくようにしましょう。
 国語は他の科目に比べて、得点アップを計るのが難しい一面があります。読む・聞く・書く力をつける教科です。どこまでも根気強く努力を積み重ねていくことが大切です。継続は力なりですね。

 

数学

神田 拓也先生
水戸事務局  神田 拓也先生
茨城大学理工学研究科修了

傾向分析

大問数8 小問数25
第1問 数と式の計算
第2問 方程式、関数の基礎
第3問 文章題、円、確率
第4問 関数と図形の融合問題
  第5問 動点問題
第6問 証明問題(空欄補充形式)
第7問 平面図形の応用問題
第8問 空間図形(三角柱)

 21年度の大きな変更点は証明問題が全文記述から空欄補充になったことです。その他は例年通りで基礎的な計算から始まり、関数と図形、毎年恒例の動点問題、平面・空間図形という流れです。また、毎年長めの説明文や数式証明など問題設定に特徴のある問題が一題出題されていますが、21年度は第7問がそれにあたります。過去の出題を見てもこの大問の出題分野は文章題、確率、数式証明など毎年変わっています。

重視すべき対策法

 入試へ向けた対策は“残り半年程度の中でどういうプランを立てるか”が重要です。
 第1,2問は計40点。問題は教科書レベル。入試問題に取り掛かるのは無理だと思っている人もここの計算であれば自分の手元にある教材で十分です。計算ミスが多い人はここでの失点がどれほど大きいかよく考えましょう。“ただ気をつけるだけ”ではなく個人個人の癖に合わせた修正が必要です。
 関数(主に第4問)は図形の問題よりも習得しやすいパターン問題が多く、計算以外の対策を始めるとしたら関数がおすすめです。入試には3年生の半ばに習う2次関数が頻出ですが、1次関数の応用(図形との融合問題など)で典型的な問題を経験しておけば大幅に負担が減ります。
 茨城名物の動点問題(第5問)ですが、対策に十分な問題集が入手しにくいので、模試の復習に加えて信頼できる先生にアドバイスをもらった方がいいでしょう。
 証明問題は21年は空欄補充でしたが、それに囚われることなく普段から全文記述で練習しましょう。仮定や条件を意識したり、理由と結論を一緒に書くことは論理的な考え方を身につける訓練になります。文章を書くのが苦手な人は国語もしっかり勉強する。できれば自分の書いた答案を添削してもらえるといいですね。

神田先生からの学習アドバイス

 「数学が何の役に立つのか」という疑問に対して「数学を通して問題解決への流れを経験できる」というのは答えの一つかと思います。例えば、図形の問題ができない時、一体何が起きているのでしょうか?「条件を読み落としている」「条件を図に書き込んでいない(考える準備ができない)」「勝手に角度の値を決め付ける」「考え得る選択肢をすべて試してはいない」「そもそも何を答えるのか忘れている」などなど。比喩的に考えると生きていく上でもやってしまいそうな誤ちばかりです。逆に、これらをすべてクリアすれば入試問題は100%解けます(そう作られています)。大切なのは、自分がなぜ正解に辿り着けたのか、または、辿り着けなかったのかを考える(教えてもらう)ことです。
 生徒の皆さんはこれから生きていく上で、解決すべき問題、考えるべき問題にたくさん出会うことと思います。答えがあるかどうかもわかりません。そのとき、“自分の力で解けるはずの問題は解ける”くらいの解決力を身につけておいた方がよいのではと思います。

 

英語

先﨑 一将先生
水戸事務局 先﨑 一将先生
静岡県立大学国際関係学部卒

傾向分析

大問数6、小問数40。
第1問 リスニング
第2問 語形変化、語彙
第3問 対話文読解
第4問 文章、表題理解
第5問 長文読解
第6問 英作文

 大問数、小問数とも昨年と同じです。出題範囲も偏りがなく、難易度もほぼ例年通りと言えます。使用されている単語や文章も平易なものであり、繰り返し学習をしていればしっかり解ける問題です。近年はリスニングを重要視するようで、問題は15問、30点の配点があります。また英語で単語や語形変化、文を書いて答える問題が、全体で15問、43点の配点になっています。読む力だけでなく、聞く、書く力も問われています。対話文、文章読解の文章は、基本的な文法や表現を用いています。最終問題が英作文で、正しい文法と単語を使い、文章を書く力が求められています。難しい文法を問われているのではなく、平易な単語や文法で十分回答できる問題です。問題数が40問と多く、基本的な文法や知識を広範囲に問い、その活用を促すものがほとんどです。日頃からの定期的な学習を心がけましょう。

重視すべき対策法

 読解力はもちろんのこと、リスニングや英作文の力も問われます。選択肢の問題だけでなく、実際に書かせる問題も多く出題されています。私立に多いマークシート方式とは異なる部分が多いので、読むことだけに偏らない学習が必要です。単語や文章で答えを書かせる問題が多いので、書く練習を怠らないようにしましょう。リスニングも配点が高いので、「読む」「書く」「聞く」をバランスよく学習し、その基礎となる文法、単語を繰り返し練習し、身につけるようにしましょう。
 また「英語」の問題を解くには「日本語」の力も重要になります。普段から本を読むなどして、「日本語」の力をつけることも大切です。日頃からの、少しずつの積み重ねが大切です。

先﨑先生からの学習アドバイス

 リスニングや英作文は自ら積極的に接する機会を作らなければ力がつきません。テレビやラジオの英会話講座や、CDテープなどを聞くことで、英語を耳に慣らしておきましょう。英作文も一日2~3文の日記を英語で書いてみるなど、少しずつ書くことに慣れるようにして、学習を積み重ねていけば、力がついてくるでしょう。文章読解は、最初は一文一文を丁寧に読解していくことから始めましょう。それを繰り返していけば、読み取る速度も上がっていきます。
 授業や学習の場だけでなく、日常に少しずつ英語と接することを意識する時間を作るようにすれば、自然と力がついてきます。テスト前に集中的に学習するのではなく、普段から少しずつ取り入れていくようにしましょう。