感動秘話「夏からの大逆転」

富山事務局 山田克美先生


イメージ 宗太君(仮名)と出会ったのは彼が高校3年生の夏休み直前でした。事務局担当者との電話打ち合わせの段階で、「今まで全く勉強してこなかった生徒で、学校の先生からもとても厳しいことしか言われていない生徒です。」「今まで何人かの大学生の家庭教師の先生に習ったことはあるものの、なかなか続かず失敗している生徒です。」「中学校のおさらいから始めないといけないですが、目標は4年制大学の看護科です。」「場合によっては専門学校も考えなければいけないですが、本人はどうしても頑張って大学に行きたいという思いが強いので、それを頼りにしっかり計画を立ててあげなければいけない生徒です。」等々の話を聞き、正直、私は引き受けようか、敢えては断ったほうが良いのか、迷いました。当然、引き受けた以上、結果を出すことが私の仕事です。すでに打ち合わせの中の言葉で相当な試練を要する生徒であることは想像出来ました。また、その生徒に対する様々な指導の準備には大変時間もかかるであろうと思うと、他の生徒にも影響が出るのではないかと心配もしました。しかし、事務局担当者の方が私にお願いしてきたということは、私を頼りにしてくれているからこそお願いしてきたのだと思い、私は、「頑張ってみます!」という返事をし、指導を開始しました。

 夏休みが直前に控える指導初日は、この夏は休みではなく『勉強の夏』にすることを強く話しました。そして、夏休み中には1枚に70語の英単語プリントの単語練習25枚を目標にし、中学の基本文法の再確認と、英語構文について再確認し、9月に入ったら、長文問題をこのように進め、12月までにはこうするんだと、立てた計画をこと細かく提案しました。また、そうでなければ、絶対に追い付かない計画なのだと言うこともしっかりと話しました。今まで全く勉強をしてこなかった彼にとって、私の立てた計画を実感出来るイメージはとても湧かなかったかもしれません。それでも彼は「はい、わかりました!宜しくお願いします!」と、とても気持ちの良い返事を返してくれました。彼の大学受験にかける思いは相当なものでした。

 今まで全く勉強していなかった彼にとって、「勉強する」ということは本当に大変だったと思います。私の出した宿題はただこなす内容のものではありません。覚えるからこそ価値のある内容であり、毎回のように行う小テストも70点満点中68点を取らないと合格点を出さないやり方は、中途半端な気持ちの取り組みでは絶対に達成することはありません。また、「主語って何ですか?」の説明から入った英語に関して、英語と日本語の違いから始めなければいけないことも多々あり、それを受け止めるのも大変な苦労があったと思います。加えて言うなら、英語ばかりではなく、数学や物理なども並行して勉強しなければいけない夏休みです。家では勉強に集中することが出来ないと言った彼に毎日図書館に行くことを勧めました。彼はとても素直にそれを受け入れ、家庭教師の時間以外はほぼ毎日、開館から閉館まで過ごし、寝る間も惜しんで単語を覚える為に努力したと聞きました。そして、9月に入ってから受けた模試で「こんな点数でした!」と今までにはない手応えを感じ、私に報告してくれた彼の笑顔は今でも忘れません。「やれば出来る」の言葉を体感したその後の彼の努力は益々加速し、本当に素晴らしいものでした。

イメージ 受験結果は、最初から思い描いていた志望校を含めて3校を受験し、1校は補欠合格でしたが、第1志望にしていた大学も含め、2校で合格通知をもらいました。共に合格ライン偏差値としては52を超える大学です。正直、私も含め親御さんや学校の先生も夏休み前の状況からここまで飛躍することは誰も想像出来ませんでした。しかし、彼は今までの自分を反省し、兎にも角にも私の提案するアドバイスや実際に出した宿題などを素直に受け入れ、行動してくれた結果、見事志望校に合格することができたのです。

 宗太君と出会い、指導できたことはこれからの私の指導にも本当に為になる出会いだったと思います。「やれば出来る!」。この言葉をこれから出会う多くの生徒にも伝え、私の心構えの柱として指導に邁進していきます。